2: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2011/12/11(日) 19:18:53.56 ID:3NsOQz0Wo
少し遅めの桜が咲く街の昼下がり、彼は彼は散歩がてら近所を見て回っていた。
今年からこの街に住むことになった彼には知らない場所も多い。
内陸の田舎町だと思っていたその場所は意外と近代化されており、色々と見て回るものが多いのが
嬉しい誤算であった。
ふと、彼の目の前を白い生物が横切る。
猫か?
一瞬そう思ったが、猫にしては尻尾が大きい。まるでキツネのような大きな尻尾。
それでいて頭のほうはネコのような形をしており、何とも奇妙な生物に見えた。
「なんだありゃ……」
思わず声を出す。
ボーッとしていると、いつのまにか例の猫のような犬のような生物は消えていた。
どこかへ逃げたのだろう。
自分の知らない街には知らない生物が住んでいるのか。
そんなことを思いつつ、彼は再び歩き出す。
商店街の辺りに差し掛かると、児童公園の近くにしゃがんでいる少女の姿が見えた。
年齢は十二、三歳くらい。制服から見て中学生だろうか。
普段ならそのまま無視して通り過ぎるところであったけれど、少女の視線の先を見て彼は歩みを
止めた。
「あれは……」
そこには先ほどの白い生物とは対象的な黒い塊が見える。
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