231: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2011/12/22(木) 20:49:35.89 ID:jo4+DSZxo
播磨たちが雑談をしている間に、今まで部屋の中にいた制服警官が書類などをまとめて
出て行った。
バタンと、扉の閉まる音が無機質に響き渡る。
「これで、この部屋にはキミと俺だけだ」
そう言って霧島は播磨の顔を見据える。
「スンマセン、色々教えてもらったのに、こんな事態になってしまって」
「別にキミのせいじゃない。ところで、播磨くんも気になっていると思うのだが」
そう言って霧島は手帳を取り出す。
使いこまれた手帳には、いくつも付箋がはさまれており、彼の真面目さが伝わってくるようでもあった。
「巴マミの死因だが――」
「!!」
「俺も検死に立ち会って、色々と話を聞く限り、“あの事件”、つまり瀬川絵里のケースと
非常によく似ている」
「……」
「死因は、心臓麻痺。公的には、な。だが実際は不明だ。外傷も一切ない。毒を飲んだと
いうわけでもない」
「はあ……」
「恐らくこの事件も、迷宮入りしてしまうだろう」
「そんな……。何も出来ねェままで」
播磨は俯く。
視線の先には自分の両足と、硬く握られた両手の拳。
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