252: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2011/12/23(金) 21:26:32.34 ID:FKxMrm+Ho
「どうぞ」
コーヒーが差し出される。
「すまねえな……」
播磨はまどかの部屋にいた。
よくよく考えて見れば、まどかの部屋に入るのは、彼にとって初めての経験である。
しかし、そのはじめてを意識する余裕は、今の彼にはなかった。
「早速で悪いんだが、あそこで何があったのか、話してもらいてェ」
播磨は、まどかの顔を見据えて言う。
まどかのほうは、疲れたような顔で俯いている。
「無理もねェか。昨日の今日であんなことがあったんだし」
「……」まどかは何も喋らない。
「だがな、まどか。俺は何があったのかしりてェんだ。巴マミがあんなことになった理由も、
そしてこの街で起こっている奇妙な事件の真相も」
「……知って」
不意にまどかが口を開く。
「知ってどうするんですか?」
「それは……」
「知ったからといって、何ができるんですか?」
「まどか?」
「確かに私は、全部じゃないけど……、知ってます。でも、何もできなかった……」
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