293:年末スペシャル ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2011/12/24(土) 18:33:37.85 ID:UqEfXJhDo
「江頭さん戻りまーす!」
スタッフの声で、スタジオは再び緊張感に包まれる。
先ほど車いすに乗せられていた江頭だが、戻ってくるときはしっかり自分の足で歩いていた。
「あの、江頭さん」
水槽に向かう途中、どうしても謝りたかった千早は江頭に近づき、声をかける。
「ん?」
「あの、私のせいで――」
「千早くん、だったよね」
「え? はい」
千早の言葉を遮るように江頭は言う。
彼女が今まで聞いたことのないような、優しい声だ。
「キミ、歌は好きかい?」
一瞬、千早には彼がなぜそんな問いかけをするのかわからなかった。
けれども、何も答えないわけにはいかない。
「はい、好きです。とっても」
「俺もお笑いが好きだ」
「……」
そう言うと江頭は背中を向け、確かな足取りで水槽に向かった。
台本上は、三回目のチャレンジで成功する予定だった。
しかし、千早のミスで四回目をやらざるを得なくなってしまう。
江頭の体力を考えると、かなり厳しい。
(江頭さん……)
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