295:年末スペシャル ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2011/12/24(土) 18:36:18.66 ID:UqEfXJhDo
「江頭さん!」
その様子に、千早はたまらず駆け寄る。
「江頭さん」
もう一度名前を呼ぶ。
「千早くんか……」
声は小さいけれど、意識ははっきりしているようだ。
それでも、顔は真っ青で唇も青い。
「ごめんなさい、私のせいで――」
千早はもう一度謝ろうとした。
しかし、
「千早くん」
「はい」
「いい、歌だったよ」
「……!」
江頭のその言葉に、千早の心の中にたまっていたものが堰を切ったようにあふれ出す。
「えがしらさん……」
手で口を押えながら、千早は涙を止めようとするがどうしても止まらない。
ちゃんと謝らなければならない。迷惑をかけた相手にもかかわらず、次に出る言葉が出なかった。
そんな千早を見て、江頭は困ったように言う。
「泣くなよ、千早くん」
「ごめんなさい」
「俺が見たいのは、涙じゃない」
「……」
「笑いだ」
江頭は微かに笑ったような気もするけれど、千早の目は涙で曇ってたため、よく見えなかった。
*
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