320:年末スペシャル ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2011/12/25(日) 20:25:00.55 ID:GEEMDRZko
二人三脚で大事なことは、いかにお互いのタイミングを合わせることか、だ。
ふつうに走ったり歩いたりするのと違い、二人三脚には相手がいる。
それを無視して進むことはできない。
それ以前に、歩くときはお互いが身体を密着させなければならない。
男に慣れていない澪にとっては、そこがまず第一の関門であった。
「……!」
「大丈夫か?」
気遣う播磨。
彼のその気遣いが、澪には心苦しかった。
「大丈夫」
そう言うと、澪は意を決して播磨の身体に自分の身体を密着させる。
「……?」
「どうした」
「な、なんでもない」
(思ったほど、嫌じゃないかも)
彼女にとって、父親以外の異性とこんなにも密着するのはほとんど経験のないことだった。
それゆえに、恐怖心もあった。
だが、いざ密着してみるとそれほど怖くはない。むしろそのぬくもりに安心さえしてしまう。
(ああ、いけない。そんなこと考えてる場合じゃない!)
澪は自分の心に喝を入れて、練習をはじめる。
「いくぞ」
「うん」
「いちに、いちに、いちに……」
だがしかし、
「うお!」
「ごめん」
二人のタイミングが合わない。
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