349:年末スペシャル ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2011/12/25(日) 21:11:20.83 ID:GEEMDRZko
物凄い勢いで屋上の階段室のドアが開かれた。
驚いた二人は、一斉にそちらの方向をみる。
すると、そこには栗色の長い髪の毛の少女が立っていた。
赤い髪留めが妙に印象的なその女子生徒のことを、律は知っている。
(確か生徒会の……)
よく見ると、彼女の後ろには十数人の女子も続いていた。
「二年生の播磨拳児くんね」
鋭い目つきの女子生徒が言った。
「何だお前ェら」
播磨は訳が分からない、という顔をしていた。
「私は秋山澪ファンクラブ、会員番号一番、曽我部恵!!」
ワ○ピースとかだったら、後ろに「ドン」という文字が見えてきそうなほどの堂々とした自己紹介である。
「はあ?」
「秋山澪に近づく悪い虫は、我々が排除する!」
「な……!」
「かかれー!」
曽我部の合図で、一斉に襲いかかる女子生徒軍団。
「澪先輩に近づくな、このクズムシー!!」
「捕まえて!」
「何だお前ェら!!」
その勢いに播磨は逃げ出す。
「え、あの、ちょっと……」
そして、しばらくすると屋上には律一人だけポツンと残されていたのだった。
(播磨のこと、もう少しちゃんと考えてやらないといけないな)
ついでにややこしい勘違いも残していた。
第一部 完
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