369: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2011/12/26(月) 20:56:38.85 ID:o0KlkSZjo
帰り途に、播磨は歩きながら考える。
魔法少女なんて漫画の中だけだと思っていたのに、まどかの口から出てくるのは、
まるでファンタジー世界のような話だ。
しかし、彼女がウソをついているようには思えない。
必死に隠し続け、そしてこの日、絞り出すように口にした告白がウソだとすれば、
もはや播磨にはどうすることもできないだろう。
魔法少女。
魔女を狩る者。
何か一つ、願いごとをして、その代償として魔法少女になり、魔女と戦う。
魔女は絶望をまき散らす存在で、そのせいで人々は自殺や他殺、それに犯罪などに
手を染めてしまう。
まどかの話をまとめるとそういうことなのだろう。
巴マミは魔法少女であり、それゆえに死んだ。
こんなもの、警察が発表できるはずもないし、ましてや新聞が報じたら東ス○扱いされてしまう。
だからこそ、謎に満ちた事件として処理されてしまうのだろう。
この街に、不可解な事件が多かったのはそのためなのか。
ではどうすればいいのか。
播磨は魔法少女ではないし、魔女も見ることはできない。
まどかはマミの死にショックを受けている。
この先、一体どうすればいいのか。
「くそっ」
どうせ何もできないなら、知らないほうがよかった――
まどかのその言葉が、播磨の心の中にジワジワと沁み込んでくる。
つづく
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