381: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2011/12/27(火) 21:30:48.89 ID:0y7Thqnno
学校までの道のりを、まどかと播磨は並んで歩く。
もちろん播磨は高校へ、まどかは中学校へ行くので、途中で道は別れてしまう。
それでも彼は、一緒に行こうと言った。
「……」
まどかは重い足取りで歩く。
本当なら、家で寝ていたい気持ちだろう。それは播磨も同じだ。
しかし、そんなことをしていたら、本当に外に出られなくなってしまうかもしれない、
と彼は思った。
沈黙の時間。
お喋り好きな年頃であるまどかが、ほとんど喋らない。
播磨のほうは、それほど喋りが得意というわけではないので、どういう話をしていいのかわからない。
ただ、そんな沈黙の時間も彼にとってはそれほど苦痛ではなかった。
沈黙に慣れている、というわけではなく、まどかと一緒にいれば黙っている時間もそれなりに
安心していられるからだ。
「朝メシ、ちゃんと食ったか?」
ふと、気がついた播磨はそんなことを聞いてみた。
「……うん」
まどかは頷く。
すると今度は、まどかのほうから声をかけてきた。
「拳児くん」
「ん?」
「……ありがとう」
「おう」
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