385: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2011/12/27(火) 21:34:03.33 ID:0y7Thqnno
「でも、この様(ざま)では元のように弾くことができません」
「そうなのか」
「あの日、覚えてますか? 播磨さんが最初に声をかけてくれた日」
「ああ」
「久しぶりに人と話したんです。あの日。それで、とても落ち着きました」
「どうして?」
「ど、どうしてでしょうね。貴方と喋っていると、落ち着いたんです。不思議なことに」
「そうなのか」
播磨は少しこそばゆくなった。
「こうして悲しんでいても、僕の手が治るわけがないんですよね。
だから、今は身体を治して学校に復帰することを考えようと思います。
今のこの状態だと、普通の生活も大変そうだし」
「そうだな」
「まだ、ヴァイオリン自体を諦めたわけじゃないけど、前に進んでいかないと。
いつまでもくよくよしていてもはじまらない」
上条は、壁を見つめ、何かを決意したように言う。
「ところで話は変わるが、上条」
「え? はい」
「お前ェ、その志筑仁美って子と、幼馴染の美樹、ええと」
「美樹さやか?」
「そう、その美樹さやかって女と、どっちが好きなんだ」
「え!?」
「お前ェ、なんかモテそうだし、他にも女が寄ってくるんじゃねェの?」
「も、モテませんよ僕は」
「ああん? 厭味かコラ」
「こ、怖いですよ。あの、さやかと志筑さんの話ですよね」
「ああ」
702Res/519.76 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。