387: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2011/12/27(火) 21:36:11.04 ID:0y7Thqnno
「そうですね。でも、もし退院したらもう会えなくなるんですかね」
「あん? 志筑なら同じ学校だから会えるんじゃねェか?」
「いや、志筑さんじゃなくて、播磨さんです」
「俺にそんな趣味はねェ」
「いやいや、そういう意味じゃなくて。こんな風に話ができなくなると思ったら」
「……上条」
「はい」
「俺はこの街にいる。お前ェと同じ学校の鹿目ってやつとも知り合いだから、またいつでも会えるさ」
「本当ですか?」
「ああ」
「播磨さん」
そう言うと、上条は包帯の巻かれた手を差し出す。
「お前ェ、そっちの手は」
「いいんです」
「そうか」
播磨は、上条の手を固く握った。
「感覚、やっぱりわからないや……」
やや涙声で、上条は言った。
「……」
「ありがとう、ございます」
「頑張れよ」
播磨は最後にそう言って、彼と別れた。
*
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