403: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2011/12/30(金) 18:14:05.54 ID:1r0Rv1RGo
「どうしたの?」
「色々あったけど、平気か」
「うん。ありがとう。拳児くんこそ、大丈夫?」
「俺か? 俺は大丈夫だ」
「よかった……」
「……」
話が続かない。
改まって向かい合ってみると、何を話していいのか分からなくなる播磨。
色々話したいことはあるのだけれど、いざとなるとそれが言葉にならないのだ。
何か話題はないかな、そう思って周囲を見回していると、耳に聞き覚えのある音楽が入ってきた。
「こいつは」
「どうしたの?」
「夜想曲第二番だ」
「それなに?」
「ショパンの曲だ」
「播磨くん、クラシックとか好きなの?」
「いや、ちょっと知り合いが聞いてたのを思い出した」
「知り合いって?」
上条恭介。
初めて会ったとき、彼がCDで聞いていたのがこの曲だったと思う。
右手が使えなくなり、ヴァイオリンを諦めた少年。
(あいつはこの先、どう生きるんだろうな)
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