406: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2011/12/30(金) 18:16:07.59 ID:1r0Rv1RGo
夜の公園は信じられないくらい静まり返っていた。
犬の鳴き声や生活の音が聞こえてもよさそうなのだが、そういったものがほとんど聞こえない。
あまりの静けさに、播磨の耳の奥には微かな耳鳴りが響いていた。
そこでしばらく待っていると、人の気配がする。外灯の光に照らされる髪の短い少女が一人。
夜にも関わらず、彼女は私服ではなく学校の制服を着用している。
「こんな夜中にこんな場所に呼び出してどうしたんですか? もしかして、アタシに気があるとか」
「そんなんじゃねェ」
冗談めかしく笑ったさやかに対し、播磨はそっけなく答える。
「もう、そんな固いこと言ってたらモテませんよ」
だがさやかの対応は変わらない。
「……美樹」
「なんですか」
「お前ェ、契約したのか」
「……」
先ほどまでの軽薄な笑みが消える。
「答えろよ。魔法少女になったのか?」
「……あなたには、関係のないことでしょう」
「本気で言ってんのか」
「ええ、そうよ。あなたは、私の何なんですか?」
「確かにお前ェと俺とは、何の関係もねェ。だが、まどかはどうだ」
「……!」
まどかの名前を出すと、さやかの動きが一瞬止まったように見えた。
「お前ェのこと、本当に心配してるんだぞ」
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