407: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2011/12/30(金) 18:16:45.62 ID:1r0Rv1RGo
「……」
「手を見せてみろ」
播磨は一瞬で距離を詰め、さやかの手首を握る。
そして、彼女の指を見た。
彼は夕方、まどかから聞いていた。
魔法少女になると、その証としてソウルジェムと呼ばれる宝石を手に入れるらしい。
そしてそのソウルジェムは、普段は指輪などの形に変化していると。
「……痛い」
さやかの右手には、確かに指輪らしきものがあった。
「美樹、お前ェやっぱり」
「放して」
「上条の手を治すために契約したのはお前ェなんだな」
「放してって、言ってるでしょう」
さやかはそう言って腕を振り払おう。
どんなに力の強い女性でも、播磨の力に対抗するのは難しい。
だが、
「な?」
一瞬、彼は自分の身体が、まるで綿のようにふわりと浮きあがったように感じた。
そして目の前には厚い雲に覆われた真っ暗な夜空。
自分の身体が本当に宙に浮いているのだと認識するまでに、ほんの数秒かかった。
そして、
「ぐわ!」
180センチの身体が公園の石畳の上に叩き付けられた。
何とか受け身をとって頭部への衝撃は防いだものの、それでも鋭い痛みが全身を襲う。
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