422: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2011/12/30(金) 18:32:34.82 ID:1r0Rv1RGo
昼休みの屋上。
さやかの友人、志筑仁美は彼女の前ではっきりと宣言した。
「さやかさん。はっきり申し上げます。わたくし、上条恭介さんのことを前から好きでした」
「仁美……」
「ですから、明後日告白しようと思います」
「……うん」
転校生の暁美ほむらほどではないけれど、さやかはこれまでやや控えめな性格だと
思っていた仁美がこうも強く自己主張することに戸惑いを隠せなかった。
「あなたが上条さんをお慕いしているのは知っていました。そして、わたくしはあなたのことを
親友だと思っています。ですから、こうして告白する前にあなたに伝えておこうと思います」
「……」
「それが、最低限の“仁義”だと思いましたので」
「ジンギ?」
上品な仁美には似合わない言葉づかいに、やや戸惑うさやか。
けれども、仁美自身はそのことを気にしていないようだ。
「あの、大丈夫ですかさやかさん」
「ああいや……、突然のことで驚いただけだよ。ハハ……」
さやかもそこまで鈍い少女でもないので、仁美が恭介に好意を持っていることは知っていた。
ただ、自分のほうが幼馴染で彼のことをよく知ってるし、よく話もしているので、
恋愛における優位は変わらないと思っていた。
いや、思い込もうとしていたのかもしれない。
*
702Res/519.76 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。