440: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2011/12/31(土) 16:41:17.78 ID:f3g4B3n7o
当然、こんなことがバレたら問題になるのだけれど、何とか彼女を説き伏せて
一緒に行くことができた。
「それで、今日はどんな御用で」
さやかの母親は相変わらず冷たい瞳でこちらを見つめている。
「わざわざ職場まで訪ねてきてもらって申し訳ありませんが、
月末で仕事がたまっているので、手短にお願いいたします」
「え、……はい」
彼女の無機質な言葉に、和子はうなずくしかないようだ。
その後、和子は美樹さやかの学校生活や成績などについて色々と話をしていたけれど、
さやかの母親は聞いているのか聞いていないのかよくわからない態度で、正対している。
「それとあの、美樹さんが最近夜中に出歩いていると聞いておりまして」
「誰から聞いたんですか?」
「あの、クラスの子からです」
「そうですか」
「それで――」
「学校のほうで、そういうことは止めるよう言ってもらえますか」
「ですが……」
「お願いします。こちらも仕事が忙しくて、あまりあの子と話をする機会もありませんので」
「え、はい。でも、一度ご家族でゆっくり話されたほうが」
「はい、考えておきます」
「……」
和子とさやかの母親との会話を、播磨は黙って聞いていた。
「では、これで。わざわざ会社までご足労いただきましてありがとうございます」
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