462: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2012/01/01(日) 18:35:15.43 ID:+2IXjtNko
「家……」
「正確には、家だった場所なんだがな」
そんなことを言いながら彼は敷地内に足を踏み入れた。
その時、
「不法家宅侵入だぞ」
不意に、どこからか声が聞こえてきた。
「な?」
声のした方向を見ると、いつの間にかそこにパーカー姿の少女がいたのだ。
「佐倉杏子か」
「おお? 覚えていてくれたんだな、ハリマ。おや、そのちっこいのは、昨日の」
そう言って、杏子はまどかに視線を向ける。
「……!」
その視線にまどかは身構えた。
「お前ェ……」
播磨はもう一度夕日に照らされた佐倉杏子を観察する。
あの時は夜で、よく見えなかったけれど、今なら。
「拳児くん……」
まどかの不安そうな声が聞こえてきた。
「大丈夫」
播磨は小さくつぶやく。
「佐倉杏子」
「なんだ?」
「お前ェ、本当に佐倉杏子か?」
「はあ? 何言ってんだ」
播磨が見る限り、その顔や体つきは十代の、それも中学生くらいのものにしか
見えなかった。
つづく
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