469: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2012/01/02(月) 16:15:20.59 ID:pJ/bogyUo
夕日に染まる教会跡地。
その敷地内で佐倉杏子と播磨拳児が正対する。
播磨の後ろには、鹿目まどかと暁美ほむらが、彼の影に隠れるように立っていた。
「お前ェ、“本当に”佐倉杏子か?」
播磨は確かめるように語りかける。
「アタシはアタシだよ。でも厳密には、アタシじゃあないかもしれない」
「佐倉杏子は、死んだと聞いたが」
「そうだな。確かに死んだ」
「……!」
播磨の疑問に、杏子はサラリと答える。
「じゃあお前ェは」
「アタシも佐倉杏子だよ。ほかに名前がないんでね。そう名乗ってる」
「どういう意味だ」
「もうわかってんだろう? アタシはもう、人間じゃないんだよ」
「……魔法少女」
「そう。魔法少女は人間じゃない。まあ、この身体はゾンビみたいなものかな」
「ゾンビ……?」
「ああそうさ。ゾンビだよ。そこのちっこいのにも言ったけど、魔法少女にとっての肉体は、
道具でしかないんだよ。“こいつ”と同じようにね」
そう言うと杏子は、一瞬のうちに長い槍を取り出す。
「もうすぐ日が暮れる。そしたらアタシは狩りに出なきゃならない。アンタらはさっさと帰りな。
さもないと、安全は保障しないぜ。特に後ろの小さいのとメガネは、“引き付けやすい”体質
みたいだしね」
「狩りって、魔女のことか」
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
「そうさ。魔女を狩らないと、ウチらは存在していられないから」
「おい、どういうことだ」
「じゃあの」
次の瞬間、佐倉杏子は高く飛び上がる。
人間のものとは思えない跳躍力で、いつの間にか近くの木の上に上り、それから別の気に飛び移っていた。
「……」
「は、はりまさん」
「拳児くん」
ほむらとまどかの二人は不安だからなのか、しばらく播磨の服の袖をつかんで離さなかった。
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