472: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2012/01/02(月) 16:17:27.89 ID:pJ/bogyUo
さやかも播磨の姿を認識したようだ。
そして逃げようとする。
魔法少女になったせいか、美樹さやかの身体能力は異常に強化されているので
追いかけても間に合わない。
そう思った播磨は思わず彼女の腕をつかむ。
「ひゃっ」
驚いたさやかが腕を振りほどこうとする。
以前はこれで彼女の驚異的な力で播磨は投げ飛ばされてしまった。
(今度はそうは行くか)
そう思った彼は一気にさやかの体を引き寄せる。
「あ……」
図らずも、彼女を抱きしめるような形になってしまった播磨。
彼の目の前には、美樹さやかの顔があった。
かすかにミントの香りがする。
「は、播磨さん。今、あたしが大声を出したら警察に捕まるよ」
さやかはやや顔を紅潮させながらヒソヒソ声で言う。
「お前ェはそんなことは言わねェだろう」
「どうしてさ」
「警察を呼べば、親も呼ばれる。そうなったらやべェんじゃねェのか?」
「そこまでは考えてなかった」
「……美樹、話を聞け」
「……放して、播磨さん。あたし、強引にされるのは慣れてないから」
「ああ……」
播磨は、ゆっくりと手の力を緩める。
もしこの手を放したら、また彼女が逃げてしまうのではないか、とは考えなかった。
*
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