489: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2012/01/04(水) 19:48:21.06 ID:AxuxTz+Ao
もうすぐ夏だというのにその日はやけに日暮れが早く感じた。
それはおそらく、空を覆う分厚い雲のせいだろう。
夕食を食べ終えた播磨は、再び外出の準備をする。
「今日もバイトなの? 拳児くん」
テレビを見ながら和子が聞いてくる。
「ああ……」
播磨は短く答えた。
この日、というかここ最近彼はアルバイトに行っていない。
その代わり、夜の街で美樹さやかをさがしていたのだ。
少し前は、姿を見つけて話をすることもできたさやか。しかし、ここ数日は姿すら見せない。
玄関を出て、エレベーターに乗ったところで彼の携帯電話に着信があった。
『もしもし、拳児くん?』
「ああ、まどかか」
鹿目まどかからだ。
『さやかちゃん、今日も出てるみたい』
「わかってる」
『一昨日から学校にも来てないの』
「ん……」
魔法少女としての寿命がもう長くない、と言った佐倉杏子の言葉が思い出される。
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