536: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2012/01/07(土) 16:16:13.94 ID:TtSXhkSbo
壱原侑子から、魔法少女システム(仮)の破壊方法を教えられた播磨拳児は、
さっそく放課後や休日を利用してその破壊のための術式を組むことにする。
方法は、侑子の言うとおりそう難しいものではない。
特定の場所に、彼女の指定した水晶と酒(日本酒)を埋め込むのだ。
水晶は、霊力を集めるための憑代として、日本酒は土地の神々に対するお供えの酒、
つまり「お神酒」としての効果を持つ。
今回播磨が行うのは、“反術式”と言われるもので、簡単に言えば結界の逆バージョン。
つまり、結界が内部を守るための術式だとすれば、その結界を破壊して内部と外部を
調和させるのがこの術式のキモだ。
数日かけて彼は指定した場所を調べ上げ、そこに憑代を埋め込んだ。
だが問題はここから。
既存の秩序を壊すことは大きな反動を呼び起こす。
播磨は、とある神社で祝詞を読み上げ、すべてを終了させた。
その日は、雨こそ降っていなかったけれど、空は相変わらず重苦しい雲に覆われていた。
それはこれから始まる参事の前触れのようでもあった。
*
変化は翌日にはすぐに表れた。
巨大な低気圧の接近により、見滝原全域に大雨洪水警報が発令されたのだ。
川が増水し、風も強い。ところどころ、雷も聞こえる。
堤防が決壊する危険性も出てきた。
(これが、反動ってやつなのか)
播磨は、荷造りをしながら考える。
「拳児くん早く。車出ちゃうわよ」
「お、おう……」
播磨たちの住んでいる地域も避難区域に指定されたため、彼は和子と一緒に街の
体育館に避難することになった。
播磨は不安になる。
(俺がやったことは本当に正しいことなのか……)
*
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