538: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2012/01/07(土) 16:18:21.11 ID:TtSXhkSbo
播磨と和子が避難所に到着したころには、雨もかなり強くなっていた。
「ふう」
とりあえず、空いた場所に荷物を下ろした播磨は周囲を見回す。
あまり知った人間はいないけれども、不安な空気が漂っているということだけはわかった。
「そういえば、まどかちゃんたちもここに避難しているみたいよ」
と、和子は服をタオルで拭いながら言う。
「そうか」
ここでまどかと会って、何を話せばいいのかよくわからない。
ただ、播磨は自分自身の不安を紛らわすためにも彼女の顔を見たいと思った。
「ちょっと便所行ってくる」
そう言って彼は立ち上がった。
体育館の廊下を歩く。
体育館内の騒がしさに比べると、ここは少し静かでもある。
「播磨さん!」
聞き覚えのある声が天井に響く。
「暁美か」
振り向くと、長い黒髪を三つ編みにした少女、暁美ほむらがいた。
ずいぶんと久しぶりに会ったような気がする。
「お前ェもここに避難してたんだな」
「ええ。それより」
「ん?」
「鹿目さんが見つからないんです」
「何?」
「さっきちょっと会って話をしたんですけど、その後姿に。体育館の中はおおむね見て
回ったので、恐らく外へ……」
「外っつったって」
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