563: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2012/01/08(日) 20:10:39.46 ID:rjWT9VOTo
外の日差しは強く、セミの鳴き声が聞こえる。
世間夏真っ盛りだ。
「終わったのか……」
そう言って播磨は振り返る。
「うん」
まどかも振り返る。
播磨とまどかの見つめる先。そこには、広くて何もない更地があるだけであった。
「……行こうぜ」
「うん」
しばらく眺めた後、彼らは歩き出す。
「ねえ、拳児くん」
歩きながらまどかが話しかけてきた。
「ん? どうした」
「手、つなごうか」
少し照れくさそうに、まどかは言う。
「いいぜ」
「ふふ。ありがとう」
まどかの小さく柔らかい手が、ごつごつとした播磨の手に包まれる。
「夏だね」
「ああ。夏だ」
他愛もない会話を繰り返しながら、二人は駅まで歩くのであった。
おわり
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