592: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2012/01/15(日) 19:49:18.42 ID:EP0D5twCo
新しい日々の始まりにも関わらず、彼女の気持ちは晴れやかどころか暗く沈みかけていた。
「みんな、いきなり色々なことを聞いたら迷惑だよ」
ふと、生徒の誰かがほむらを取り囲む女子生徒たちに向かって言う。
ほむらの視界に、ふわりと揺れる赤いリボンが入ってきた。
少し長めの髪の毛を二つに縛った小柄な女子生徒だ。
「大丈夫? 暁美さん、気分悪いの?」
赤いリボンの少女は笑顔でそう呼びかけてきた。
「あ、少し」
「じゃあ、保健室行こうか。私保健委員だから」
「……うん」
*
保健室に行くほどの重症ではないのだけれど、あの混乱の渦から抜け出せたことに
ほむらはホッとしていた。
「あ、あの……」
「ああ、自己紹介がまだだったね」
少女はそう言って振り返る。
「え?」
「私、鹿目まどか。よろしくね」
「は、はい。暁美ほむらです。こちらこそよろしく……」
「大丈夫? 顔色悪いけど」
「ごめんなさい、私、この前まで入院してて、学校生活自体まだ慣れていないんです」
「そうなんだ、大変だね」
「え、はい」
「困ったことがあったら何でも言ってね」
「あ、ありがとう」
それが暁美ほむらと鹿目まどかの最初の出会いだった。
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