602: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2012/01/15(日) 19:56:15.45 ID:EP0D5twCo
困っていた自分に声をかけてくれたまどかという存在は、ある意味恩人であった。
「お前ェ、まどかのこと知ってるのか」
「はい、同じクラスになったんです」
「そォか。仲良くしてやってくれよ」
そう言って男性は優しく微笑む。
サングラス越しでよく見えなかったけれど、それも優しい笑みだと彼女は思った。
「あ、はい、でも彼女は保健委員で、私のほうが世話になりっぱなしで」
「世話に?」
「退院したばかりで、体力もなくって、勉強もあんまりついていけてないんです。
そんな私をフォローしてくださったのが、鹿目さんです」
「そういや、アイツは世話好きだったな」
彼は何かを思い出しているように、宙を見つめる。
きっと、自分の知らないところで鹿目まどかとの思い出があるのだろう。
「そうだったんですか、鹿目さんのお知り合い……」
今日会った鹿目まどかの顔を思い出していると、不意に男性は言った。
「なあ、もう歩けるか?」
「え? はい」
男性と話しているうちに、先ほどまでの動悸はすっかり収まったようだ。
「そうか。もうすぐ暗くなるから、早く帰れよ」
男性はそう言うと立ち上がる。
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