636: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2012/01/17(火) 20:56:56.78 ID:cLE8yXD4o
「普通、ですか」
普通――
その言葉は、病気のせいで人と同じ生活のできなかったほむらにとっては憧れの言葉でもある。
「俺だって和子とか詢子さんとか、色んな人に世話になって生きてる」
「……」
「それにな、暁美」
「はい」
「誰かに頼りにされるってのも、悪いことじゃねェぞ」
「でも迷惑じゃ」
ふと、ほむらの脳裡に両親の顔が思い浮かぶ。
病気がちな彼女を見る目は、決して愛に満ち溢れたものとは言い難かった。
「確かに何度も続けば迷惑って思うこともある。だがよ、よく考えてみろ」
「え?」
「お前ェは好きでもないやつに頼ろう、って思うか?」
「それは」
「誰かに頼るってことはな、ある意味親愛の表現の一つだと俺は思う」
「親愛、ですか」
「だからよ、好きな奴には頼ってほしいって思うわけよ。でもそれを遠慮されたら、やっぱ辛いもんがあるな」
「そうなんですか」
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