675: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2012/01/19(木) 20:36:49.77 ID:gZmXTKMLo
しばらくすると、播磨はゆっくりとほむらの手をほどく。
そして身をかがめて彼女と向き合った。
「暁美」
「……はい」
あふれ出る涙のため、播磨の顔が曇ってよく見えない。
「泣くな」
そう言うと彼はポケットからハンカチを取り出し、ほむらのメガネを少し上にずらして目元を拭う。
「播磨さん」
「俺は必ず帰ってくる。まどかと一緒に。絶対にだ」
「本当ですか?」
「ああ、約束する」
そういうと、彼は自分のハンカチをほむらに渡した。
「あの、これ」
「俺が戻るまで預かっといてくれや。どうせ雨でずぶ濡れになるから、もう必要ねェ」
「……絶対」
「ん?」
「絶対無事でいてくださいね」
「おう」
播磨はそう返事をすると、走り出した。
(さようなら、播磨さん)
播磨からもらったハンカチを見ながら、ほむらは心の中でそうつぶやく。
つづく
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