688: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2012/01/20(金) 20:54:32.43 ID:W7oVHpI5o
「その話、私も聞きたいわ」
そう言ったのは、もう一人の従業員、巴マミである。
手にはお盆を持っていた。
「あら、マミ。それって」
「水ようかんですよ。暑い日にどうかと思いまして」
「いいわねえ、水ようかん」
縁側に腰掛けた三人は、マミの持ってきた水ようかんを食べながら話をする。
「それで、何の話だったかしら?」
ようかんを一切れ食べた侑子が再び杏子に聞く。
「ハリマのことだよ。あいつは何者だ? 結局わからねえよ」
と、杏子。
「私もわかりませんでした。調べようと思ったんですけど」
マミもそう言った。
「確かに、“あなたたちにとっては”不思議な存在だったかもしれないわね」
「どういう意味だ?」
ふと、杏子は表情を変える。
「どう表現していいのかわからないけど彼はね、“特異点”なの」
「特異点?」
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