692: ◆tUNoJq4Lwk[saga]
2012/01/20(金) 20:58:28.22 ID:W7oVHpI5o
「まあね。伊達に長生きはしていないわよ。たっくさんの人が死んだわ」
「うへえ。さすが“極東の魔女”だけのことはある」
そう言うと、杏子はアイスティーを飲み干した。
「それで話を戻しますけど侑子さん」
「ああ、ハリオのことね」
「彼は、見滝原という異界の影響を受けなかったってことですよね」
「そうね。どういう原理なのかはわからないけれど、かなり珍しい人間よ。稀に現れるんだけど」
「侑子さんにもわからないんですか?」
「私にもわからないことはあるわ。だからこの世は面白いのよ」
侑子はそう言って笑った。
「しかもハリオの面白いところは、自分だけでなく周囲にも影響を与えてしまうことなの」
「周囲に影響?」
「“あなたたち”もそうよ」
「ん?」
杏子とマミは二人、顔を見合わせる。
「本来なら、“見滝原という異界”の力で存在してきたあなたたちは、異界が消えた時点で
その存在も消えるはずだった」
「そうですね。魔法少女という存在そのものが無くなるのですから、私も杏子も」
マミは首をかしげる。
「でも、あたしらはいるぜ? これって、侑子の力じゃないのかよ」
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