過去ログ - 夜叉「もうすぐ死ぬ人」
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26:JK[saga]
2011/12/17(土) 18:40:03.89 ID:JjKvBwFx0





それから七年。
旅先での月夜叉との邂逅を支えに、暁は七年間を生き続けてきた。
月光が降り注ぐ度、暁は月夜叉を思い出し、過去に思いを馳せていた。
もう一度月夜叉に逢おう、と決心したのは、三年来の恋人と別れてからだった。

「貴方の見ているのは私じゃない」

恋人は言って、暁の元から去った。
故に暁は決心した。
月夜叉と再会しようと。
理解した。
自分の求めているものは月夜叉だったのだと。

三年前に出来た恋人。
暁は確実に彼女の事を愛しており、
彼女も自分を愛してくれていたはずだと暁は考えていた。
されど、暁は彼女に本気になれなかった。
彼女を愛してはいた。
だのに、それは求めていたものではないと思えてしまえる。
愛されるはずがない自分に恋人が出来、
別離した現在になって暁は分かったような気がしていた。
己は月夜叉をこそ求めていたのだと。
無表情で己を受け止めてくれた月夜叉をこそ、求めているのだと。

月光が。
茜色の月光が降り注ぐ。
暁は茜色の時分、月夜叉を捜し歩く。
親を捜し求める迷子の如く、暁は月夜叉を求めていた。


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