過去ログ - 夜叉「もうすぐ死ぬ人」
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27:JK[saga]
2011/12/17(土) 18:40:51.82 ID:JjKvBwFx0





それは偶然と言えるのか、或いは必然と呼ぶべきなのか。
七年前の旅先で、七年前の姿と一切変わらぬ月夜叉と暁は再会していた。
彼女は夢なのか、幻なのか、非人間なのか、それは分からない。
されど、とにかく暁の目の前に存在していた。

「月夜叉、俺は……」

久々に邂逅した月夜叉は暁の事など何も知らない他人だという風に、冷たく見下ろしていた。
仕方が無かった。七年ぶりの再会なのだ。
暁はそう思おうとしていた。

『誰ぞ』

「俺だよ、草加。草加暁……」

『暁』

暫し月夜叉が思案するように押し黙った。
祈るような気分で、暁は月夜叉の言葉を待っていた。

『思い出した。久しいな、あの暁か』

「そうだよ、あの暁だ。俺は月夜叉に逢いたくなって、それで……」

久しく逢っていなかったというのに、月夜叉は無表情を崩さなかった。
再会の涙など存在するはずもない。喜びの表情も無い。
されど、それが月夜叉なのだった。暁の求めた月夜叉だ。
暁は過去に月夜叉がそうしてくれたように、月夜叉の胸に飛び込んでいた。
自分の求めていたものがその場にあると思うだけで、自分を律する事が出来なかった。

『何をしている』

月夜叉が思念を飛ばす。
感情を持たない彼女に、これだけの行為では伝わるまい。
暁は腕を開いて月夜叉を胸に抱き、小さく言った。

「俺、分かったんだよ。
俺は月夜叉が本気で好きなんだ。月夜叉こそが、俺に必要なんだ」

恥も外聞も無い愛の告白だが、
その瞬間の暁は本気であり、最も正しい行為だと思えていた。
この行為こそが、真実なのだと。
されども、やはり月夜叉は無表情を崩さずに応じた。


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