6:JK[saga]
2011/12/14(水) 02:44:09.12 ID:7vHzEqmB0
雪が長椅子の上に立って月を仰いだ。
月夜叉も雪を真似て月を仰ぐ。
今宵は半月。
己と同じ名の衛星。
月光が。
月の中で生きる月夜叉。
彼女は月の光しか知らない。
星の光は眩し過ぎる。
彼女に相応しい光ではない。
太陽の光を見る事は叶わない。
月夜叉は、夜を生きる者だから。
雪も月光を浴びている。
月夜叉は月光の下の雪しか知らない。
もしも太陽光の下で雪と出逢えたのならば、
彼女は一体どの様な姿を月夜叉に見せるのだろう。
月光が。
何故、雪は月の時間に外を出歩くのだろう。
無論、月夜叉に出逢うためでもあろうが、
彼女は夜空の向こうに何かを望んでいるのだ。
故に恐らくは雪も月の中で生きている。
「ねえ、お月さん……」
月光の下の雪。
その横顔は幼いながらに力強い。
雪。
幼い雪。
小さな雪。
されど強い雪。
そして、月光が。
「あたし、もうすぐ死ぬんだってさ」
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