過去ログ - 【魔法少女まどか☆マギカ】瑠璃鉢得摩・奈落開闢 -SS速報VIP

過去ログ - 【魔法少女まどか☆マギカ】瑠璃鉢得摩・奈落開闢

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10:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)
2011/12/19(月) 01:06:08.56 ID:yX4xEHZ00
（おっかしいなあ……普通なら、今の私が攻撃されて血なんてでるはずがないんだけどねー。まあ、だいぶ勢いが落ちてきたからいいけど）

音の壁数百枚を突き破り生まれ出た轟音と衝撃の渦の中で能天気な考察を巡らせる槇奈。
そのわずか数瞬後、突如として四散した刃の嵐の中から、小柄な人影が現れる。
　
「こいつが……天魔……!?」

槇奈が驚愕するのは無理もない。なぜならそれは、その怪異は。
かつて神州の軍勢を滅ぼしたといわれる化生の蜘蛛は、自分より数歳年下であろう少女の姿をしていたのだから。

「天魔って、あんた……そうよね、それ以外あり得ないわよね。普通に考えて」

肩でそろえられた銀の髪が吹く風に揺れる。鋭い碧眼が槇奈を射抜くように見つめている。
その事実を知った瞬間、彼女と視線を合わせたその刹那。

「ッ……!?　な、なによ、これ……！」

先ほどの嵐の中でさえ悲鳴一つ上げなかった槇奈が、震えたような声を上げた。
それは本当に錯覚なのか。自分自身がそう感じているだけなのか。
全身に巨大な鉈を向けられたかのような感覚。それが眼前の化外から放たれている殺気と気づくのに、そう時間はかからなかった。

「なによもなにも……ようはそういうことでしょう」

呆れたように呟く天魔。乾ききった風のような、それでいてわずかな湿り気を持つ霧のような声が槇奈の神経を逆撫でし、胸芯の激情の焔を燃え上がらせる。

「あんたの力で、あたしにかなうとでも思ったの？」

腰にさげた刀剣、それを無造作に腰から抜き放つ。それと同時、放たれた刃の群れが槇奈のいた場所を射貫いた。
射貫いたの、だが――

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