過去ログ - 【魔法少女まどか☆マギカ】瑠璃鉢得摩・奈落開闢 -SS速報VIP

過去ログ - 【魔法少女まどか☆マギカ】瑠璃鉢得摩・奈落開闢

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16:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)
2011/12/25(日) 20:23:37.54 ID:ul6OJi+90
「一二三四五六七八九十（ひいふうみいよおいいむうなあやあここのたり）
　布留部由良由良止布留部（ふるべゆらゆらとふるべ）」

その事実を嘲笑うように、天魔の口から祝詞が漏れる。

「血の道と血の道と其の血の道返し畏み給えよ父母の道（ちのみちとちにみちとそのちのみちかえしかしこみたまえよふぼのみち）」

まず感じたのは『情愛』、求めしものは救済。

「禍災に悩むこの病毒をこの加持に今吹き払う呪いの神風（かさいになやむこのびょうどくをこのかじにいまふきはらうとこいのかみかぜ」

それは愛する男のための願い。彼が失った腕を、再び取り戻したい。

「橘の小戸の禊を始めにて今も清むる吾が身なりけり（たちばなのおどのみそぎをはじめにていまもきよむるわがみなりけり）
千早振る神の御末の吾なれば祈りしことの叶わぬは無し（ちはやふるかみのみせいのわれなればいのりしことのかなわぬはなし）

そのためならなんだってする。あきらめるなんてできない。立ち止まってなんていられない。
泣き喚いたくらいで起きるような奇跡なんか、私には必要ない。

「奉りし此の柏手に恐くも来たりましませ薬師の大神
（たてまつりしこのかしわでにおそれおおくもきたりましませやくしのおおがみ）」

溢れ出る祈りが少女の肉体構成を変生させる。
死を宿す魔拳も自らが所有する剣群も、今の彼女には通用しない。

「年を経て身を妨ぐる禍災を祓い給えよ天地の神
（としをへてみをさまたぐるかさいをはらいたまえよてんちのかみ）
　その御心をもちて祈りなば浮世の病癒えざるはなし
（そのみこころをもちていのりなばうきよのやまいいえざるはなし）

その根底にあるのはかつての彼女が何よりもささげた癒しの祈り。
祈願の果て、神域に辿り着いた彼女は存在そのものを概念へと偽神化させる。

「恐くも此の柏手に大神の本つ御魂へ帰りましませ（おそれおおくもこのかしわでにおおかみのもとつ）」

それは自身の渇望を持って万象を染め上げる一つの宇宙。
突きつめた求心の彼方に顕現する魔性の理。
彼女の祈り、理は、不死の肉体と無限の剣。

「―大・極―（―たい・きょく―）」

その銘は――

「神咒神威　阿弥陀曼荼羅　黄泉剣樹
（かじりかむい　あみだまんだら　よもつけんじゅ）」

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