過去ログ - 御坂妹「……代理演算……ですか?」
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21:たくみ
2011/12/22(木) 17:42:31.42 ID:z9cn91yIO
だからこそ。
御坂妹の心は波立ち、収まることがない。
心臓の鼓動が早い。体の中の血管の収縮運動が感じられる。動悸が激しい。

立つこともままならなくなり、御坂妹はその場に座り込んでしまう。スカートが捲り上がり、
太ももが露わになる。
が、それを気にすることもなく、彼女は壁に頭を預け、上を見上げた。

「……ミサカは……ミサカはどうしたらいいのでしょうか……」

返答を返す者などいない。すぐに静寂が彼女を包み込む。

「ミサカには……どうすることもできません……何もわかりません……どうしたらいいのかも……」

ここで演算補助するのは人道的かもしれない。このままじゃ彼は植物人間状態だ。動くことはもちろん、瞬きすら出来ない、考えることもできない、ただ生かされるだけの死ぬことを待つ存在になる。

が、ここで彼に救いの手を差し伸べるのは、すでにこの世にいない、欠番となった妹達への、そしてなにより存在することすら許されなかったクローンの自分達を許してくれた御坂美琴への、最大の侮辱だ。

『……この子は私の妹だから。……ただそれだけよ』

すべてが終わったあの日、そう言って彼女は自分の目の前に立ちふさがった。白い怪物に物怖じもせずに。
その言葉は御坂妹の胸にまっすぐに届いた。

彼女は自分達を救うために立ち上がり、ボロボロになり、精神を叩き折られ、絶望のどん底に叩き落とされた人物だ。
彼女をそこまで追い込んだ悪の根元を植物状態から救うために思考に手を貸す。
彼女は何と言うだろう。
死んでいった妹達は何と言うのだろう。

怒り?侮蔑?蔑み?諦め?

それらを引っ括めて、ごちゃ混ぜにして、凝縮したような感情を抱くだろう。

そして何より自分の心がそれを拒む。



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