過去ログ - 結衣「ちなつちゃんに笑ってほしい」
↓ 1- 覧 板 20
11: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:49:22.60 ID:EN9JwbNT0
―――――
―――――
結衣「……んー」
その夜、私は薄暗い部屋でテレビを垂れ流しながら、クッションを胸に抱えて
ごろりと後ろに倒れこんだ。
カーペットの上だとしても、床だから少し頭が痛い。
こういうとき、ごらく部の部室はいいよなあ、なんて思ってしまう。
畳は過ごしやすいのだ。
そんなことよりも。
結衣「……」
テレビから聞こえる笑い声をBGMに、私はちなつちゃんのことを考えていた。
泣いているところを見てしまったからには、やっぱりそのままにしておくわけには
いかないと思ったのだ。先輩としても、同じ部活の仲間としても。
今さらかもしれないし、あの時なにかあっただけであの後すぐにあかりが行っているはず
だから解決してるかもしれないけど。
時々見える翳りだって、もしかするとまだなにかあるのかもしれないわけで。
私なんかが、なにかできるかはわからないけど、それでもやっぱり
考えずにはいられない。
昔から、誰かの涙には弱いのだ。
京子のやつも、あかりのやつも小さい頃はすぐに泣いちゃって。
私がずっと二人のお守り。
ちなつちゃんのことも、何からかはわからないけど守ってあげなきゃ。
結衣「……」
とは思いつつ、逃げちゃったものだから本人を前にしては聞きにくい。
突然「どうして泣いてたの」と訊ねるわけにもいかないし。
そんなふうに思考がぐちゃぐちゃになって、私はテレビも消さずに目を閉じた。
ちなつちゃんの背中が、ずっと目蓋の裏に映ったまま。
100Res/62.95 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。