過去ログ - 結衣「ちなつちゃんに笑ってほしい」
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15: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:53:19.47 ID:EN9JwbNT0
結衣「……もふもふ」
ちなつちゃんの柔らかい髪に埋もれる、そっと伸ばした手。
あたたかいし、気持ちいい。
ちなつちゃんの温かさだな、なんて柄にもないことを思って赤面したくなる。
16: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:55:00.23 ID:EN9JwbNT0
なに考えてんだろ、自分。
ぼんやりそう思った。
いつのまにか、ちなつちゃんの寝顔を見詰めていると自分まで眠くなってきてしまい、
うとうとと頭が傾き始める。
17: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:58:11.27 ID:EN9JwbNT0
ちなつ「えへへ……すみません、寝ちゃってて」
それからすぐに、ちなつちゃんは恥ずかしそうにはにかんで。
私は「ううん」と首を振りながらそっとちなつちゃんから目を逸らした。
18: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:58:45.07 ID:EN9JwbNT0
慌てたように立ち上がったちなつちゃんの手を掴んで、引きとめた。
見上げたちなつちゃんは、困惑したように私を見返してくる。
その視線を、今度ははっきり受け止めて私は言った。
結衣「私になにかしてほしいこととかある、かな」
19: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 22:59:21.00 ID:EN9JwbNT0
結衣「ちょっ、ちなつちゃん!?」
ちなつ「……そ、そんなのたくさんありすぎて」
あぁ、たくさんあるんじゃなくってその……!
20: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 23:00:38.56 ID:EN9JwbNT0
ちなつちゃんはじっと私を見たまま、固まってしまった。
言い方がまずかっただろうか、そう考えていると、ふいに再起動したちなつちゃんが
「そ、それじゃあ!」と。
結衣「うん、なに?」
21: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 23:01:23.13 ID:EN9JwbNT0
正直なことを言えば、いきなり呼び方を変えるなんてこと、照れ臭くって
しかたがない。
せっかく冷め始めていた熱がまたぶり返してくるのがわかった。
結衣「……」
22: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 23:02:08.67 ID:EN9JwbNT0
ちなつ「私、びっくりしちゃってつい……」
結衣「びっくりって、ちなつちゃんが呼んでほしいって言ったのに」
ちなつ「そ、そうなんですけど……」
23: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 23:03:23.16 ID:EN9JwbNT0
お願いだから、泣かないで。
声にできない言葉の代わりに。
結衣「……ちなつちゃん、どうしたの?私に言えないようなこと?」
24: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 23:04:39.68 ID:EN9JwbNT0
そうしてる間にも、ちなつちゃんの目からはぽろぽろと涙がこぼれ落ちていく。
ああ、もうどうすればいいんだ。
そう思った瞬間。
ちなつ「……好きなんです」
25: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/21(水) 23:05:13.16 ID:EN9JwbNT0
突然のことに、ただ戸惑うことしかできなくて。
ちなつちゃんの涙が、肩に置いた私の手を伝って畳の上に落ちた。
なんだか生ぬるいのか冷たいのか、わからなかった。
ちなつ「……なんて」
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