過去ログ - 結衣「ちなつちゃんに笑ってほしい」
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39: ◆qvIZyIvV7w[saga]
2011/12/22(木) 12:25:04.80 ID:6yvjOkBr0
――――― ―― 

結衣先輩、どうして。
私の数歩後ろを歩きながら、ちなつちゃんが言った。

迎えに来たんだ。
そう答えると、ちなつちゃんは「へ?」と声を上げて立ち止まった。
ようやく自分が茶室へ向かっていたことに気付いたのだろう。

ちなつ「……結衣先輩」

結衣「ちなつちゃん、あのさ」

私は立ち止まったちなつちゃんと向き合って。
ちなつちゃんが、逃げ出そうとしたのか一歩後ろに退がったのを、無防備な手を
掴んで引き止めた。

ちなつ「な、なんですか」

掴んだ手から、一瞬ちなつちゃんが驚いたように震えたのが伝わってきた。
そんなにびっくりさせるつもりはなかったのにと苦笑したのも、きっと
私自身を落ち着かせるためだ。

結衣「私のこと、好きだって言ってくれただろ?」

ちなつ「……い、言いましたけど」

結衣「本気だって、言ってくれたよね?」

だんだんと、こくんと頷いたちなつちゃんの頬が赤く染まっていく。
自分だって、鏡を見なくてもそうだということはわかっている。


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