101:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 04:07:43.50 ID:c4Axoe8J0
「私がしっかりしていれば、あなたをこんな目に遭わせなくてすんだのに、ね」
「だ、だからあれは……。結局、あたしが足手まといになっちまったし」
「そんなことはないわ」
しどろもどろになる杏子に向かって、マミは言った。
「昨日の夜……キュゥべえが出て行った後も、私は部屋の中でただ悶々としていたの。真実と向き合いたくないという気持ちと、魔女を倒さなくてはならないという気持ちとのあいだで板挟みになって。気づいたら、眠ってしまっていたわ。朝になって、ようやく覚悟を決めて駆けつけてはみたものの、もしあなたが私の替わりに戦ってくれていなければ……」
マミは、少し離れたところで横たわっているあきの亡骸に目をやった。
「きっと、逃げ帰っていたわ」
「マミ……」
「私が戦えたのは、あなたのおかげなの。だからもう一度お礼を言わせて。ありがとう、佐倉さん」
「あ、あたしは……」
その時、杏子はまだマミに手を握られていることに気づいて、慌てて引っ込めた。
「と、とにかく、無事でよかったなっ」
そのまま二人は黙りこんでしまった。
台風が過ぎ去った後の澄み切った風が、マミと杏子のあいだを吹き過ぎていく。
お互い目を合わせることもできないまま、当人たちにとってはとても長く感じられる時間が流れた。
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