過去ログ - マミ「杏子……」
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102:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 04:08:25.01 ID:c4Axoe8J0
「佐倉さん、もしよかったら……」

「あのさ、あんたさえよければ……」

 二人が口を開いたのは、ほとんど同時だった。

「え?」

「あ、いや……」

 お互いに相手の言葉を聞き取ることができないまま、また沈黙が訪れる。

 だが今度は、杏子が先に口を開いた。

「じゃあ、あたし……そろそろ行くわ」

「そう、ね……」

 マミは杏子と目を合わせずに言った。

「あなたには、あなたの街があるものね」

「そ、そういうこと。早く傷を直さねえと、すぐに魔女どもがはびこってくるからな」

「大丈夫よ」

 そこでマミは正面から杏子に向き合った。

「あなたなら大丈夫。すぐに現役復帰よ。でも……」

 言いながら、屋上から見渡せる見滝原の街並みに視線を向ける。

「無理はしないで頂戴。……いつか、私にもしものことがあったら……あなたにこの街をお願いしなくちゃいけないんだから」

「な、何を……」

 杏子はばつが悪そうに俯いた。

「言われなくても、そのつもりだっつーの。今回だって、あわよくばあんたの縄張りを頂戴するつもりで来たんだしな。心配しなくても、あたしが後釜を引き受けてやるから……」

 そこまで言うと、杏子はマミに背を向け、屋内に戻る扉に向かって歩き始めた。



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