105:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 04:10:20.27 ID:c4Axoe8J0
「お別れは済んだかい」
キュゥべえがマミに声をかける。
マミは立ち上がった。
「……ねえキュゥべえ」
「なんだい」
「この子の……あきの素質が、魔女をその身体の内に宿らせることになったゆえんだって、あなた言ってたわよね」
「推測に過ぎないけれどね」
「もしこの子が……私よりも先にあなたと出会っていたら、あなたはこの子と契約していたのかしら?」
「どうだろうね」
キュゥべえは首を傾げた。
「そうなったかも知れないし、ならなかったかも知れない。僕には分からない。どっちにしても、確かに言えるのはね」
「なに?」
「今、ここに魔法少女として存在しているのは、他ならぬ君だということだけだ。巴マミ」
その言葉を聞いて、マミは小さく笑う。
「ええ、そうね。私は魔法少女……」
(決して望んだ未来ではなかったけれど)
横たわるあきの顔に視線を落とし、それから頭上に広がる空を見上げて、マミは言った。
「……私は負けないわ」
その時、一羽の白い鳥が、マミをかすめるようにしてあきの傍らに舞い降りた。
それはしばらくのあいだ、あきに寄り添うようにしてその場に佇んでいたが、やがてまたもと来た空へと飛去って行った。
マミはその向かう先を、強い決意を秘めた眼差しでいつまでも見守っていた。
―完
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