35:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:49:05.60 ID:c4Axoe8J0
「ちょっと、離してよ」
保健室の少女―Mは、とりつくしまもないといった体でマミの手をふりほどいた。
「巴さん、だったよね確か。なんであんたがそんなこと嗅ぎ回ってるわけ」
傍らを行き交う人々が、好奇の目を二人の方に向けながら通り過ぎていく。
日は暮れかかっていたが、ネオンの灯り始めた繁華街は昼間とは違う賑わいを見せ始めていた。
「もちろん、不躾な振る舞いだということは重々承知しているわ」
マミは相手の剣幕にひるむことなく、まっすぐに目を見つめ返しながら言った。
「ただ、どうしても気になることがあって」
「はぁ?気になることって、何」
「関係、と言えばいいかしら。立て続けに生徒が自殺したことについて、何らかの……」
マミがそこまで言うと、少女の顔色が変わった。
「だから。あんたの知ったことじゃないだろ?てか、頭おかしいんじゃないの。なんであたしにそんなこと聞く訳」
それだけ言って立ち去ろうとするMの背中に向かって、マミは叫んだ。
「待って!」
「?」
「あなたを助けたいの」
Mは足を止めた。
「あなた、怯えているんでしょう?」
マミは思い切ってこう問いかけてみた。
一種の賭けだった。
少女の攻撃性のうちに、何者かに対する恐怖が潜んでいると感じたマミは、鎌をかけてみたのだ。
「……?あんた、どこまで知ってるの」
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