過去ログ - マミ「杏子……」
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7:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 02:19:33.16 ID:c4Axoe8J0
 巴マミと青梅あきは子供の頃からとても仲が良かった。小学校に入ったころは二人でよく遊んだ。しかし、やがて高学年になると、少しずつ疎遠になっていった。もともと大人しい性格だったあきは、クラスが離ればなれになってしまったマミに積極的に会いに来るようなことはなかった。それでもマミの方は、新しい友人たちとのつき合う一方であきの事も気にかけ、時々遊びに誘ったりもしていた。

 ……あの事故が起こるまでは。

(もし……なんて考えても仕方のないことだけれど)

 交通事故に遭い、失われる筈だった命をつなぎ止めることと引き替えに魔法少女になったマミは、二つのものを同時に失った。

 家族と、ふつうの少女としての青春とを。

 それまでクラスの人気者だったマミは、事故の後、だんだんと自分が周囲から浮いた存在になっていくのを感じた。

事故で一度に家族を失った悲劇の主人公にうまく接していくには、マミの友人たちはまだ幼すぎたのだった。

もちろん、それだけなら時間が解決してくれたのかも知れない。孤独の影をひきずりながらも、一人の十代の少女として、人並みの青春を送れていたのかも知れない。

 しかし、自分一人助かったことの代償に、マミは他の誰も背負ったことのない、過酷な運命を課されることになった。

(もし、もし魔法少女になんてなっていなければ、まだあの子と仲良しでいられたのかな)

 魔法少女として魔女と命がけの戦いをするようになったマミの目には、かつての友人たちはもはや違う惑星の住人のように見えた。ほんの少し前まで、自分もその輪の中で同じように笑いあっていたのだということが、どうしても信じられなかった。

 誰もマミに近づこうとしなかったし、マミも誰にも近づこうとはしなかった。学校にいるあいだ、空き時間は読書をして過ごした。そして、あきに声をかけることもまた、なくなったのだった。



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