過去ログ - マミ「杏子……」
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83:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:47:49.04 ID:c4Axoe8J0


 普段なら静まりかえっているであろう夜半の病棟も、今夜は嵐の喧噪に包まれていた。

 佐倉杏子は、キュゥべえの指定した病室に向かうため、見滝原病院の最上階に侵入していた。

(とりあえず、魔女の気配はないな)

 巡回するナースの姿もないことを確認すると、杏子は目指す病室の入り口付近に忍び寄った。

「まず、そこに誰が入院しているか確認して貰いたい」

 杏子は、キュゥべえの言葉を思い出していた。

「病室にマミの友人が居たら……僕の推測は間違っていたことになる。いずれにしても魔女が病院の中にいる可能性は高いが、この場合はマミも戦いを厭わないだろう。でも、もし病室が空か、あるいは他の人間が入院していた場合は―考えていたとおり、マミの友人は使い魔に食べられてしまったと見るべきだろうね。その事実を知れば、マミはきっと……」

 暗がりの中で、杏子は病室のプレートを確認する。

 そこにははっきりと「青梅あき」と記されていた。

「なんだよ……。生きてるじゃねえか」

 杏子はそう毒づきながらも、内心ほっとしていた。

 とにかく、マミが追っている魔女は、彼女の親友とは無関係なのだ。

 キュゥべえの推測は外れた訳だが、この病院のどこかに潜んでいることが確かならば、マミと二人で探せばいずれ見つけられるだろう。

(って言うか……)

 そこまで考えて杏子は気づいた。

(もうあたしがしゃしゃり出る理由なんてねえんだな。あきって奴が魔女と無関係なんだって分かったら、マミは自分一人でなんとかするだろうし)

 キュゥべえの下らない取り越し苦労に付き合ってしまったことを後悔しつつ、杏子は踵を返した。

(もっとも、マミの奴が甘ちゃんだってことには同意するけどな。こんなことじゃ、いずれ……)




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