過去ログ - とある神父と禁書目録
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120:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/29(木) 22:51:26.87 ID:Tke7n+/c0


アウレオルスはスーツの内ポケットから一本の鍼を取り出した。
銀色のか細い金属は、インデックスの目には糸のようにも映った。


「名もなき錬金術師の名において命ずる」


男女を分け隔てる天国と地獄の境界面に垂らされた、一本の細い細い蜘蛛の糸。
こん、と軽い音を立ててアウレオルスの首に吸いこまれる。
上唇と下唇が別れる。
呼気を取り入れるかすかな音が、インデックスの耳朶を稲妻より激しく打った。
そして紡がれる黄金の音色。
女の想いを乗せて、現実が歪む。
インデックスのただ一つの太陽を、生きる標を、稜線の彼方から再び昇らせるべく。





「『死ぬな』」






世界がほんの少しだけ、そのかたちを変えた。




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