127:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/29(木) 23:01:08.22 ID:Tke7n+/c0
『あの時のやりとりを、覚えて……いえ、これは愚問でした』
『うん。あのときの私が塞ぎこんでてなにも聞こえてなかったっていうのは本当だけど、
私は、脳に蓄積された情報ならいつでも引き出せるから。あのときの私が心の底から
生きてはいられない、って思ってたのはあなたの解釈通りなの』
『……それでも、貴女が最後に選んだのは“この”道でした。結果として、私と貴女の
意識に致命的な齟齬が生まれたことは否定しがたい。挙句があの有り様です』
『元を辿れば、原因は私の心の弱さだったんだよ。だから、私に罪がないなんてことは
ありえないの』
『私の罪とて、融けてなくなるような代物ではありません』
『そう。だからこそ二人でみんなに、ステイルに償っていこう?』
『しかし』
『……ねえ、ヨハネ。ヨハネは私の記憶を消したあと、自分を消すつもりだったんでしょう?』
『!!』
『やっぱり。「自動書記」を自分で解除して、いなくなっちゃうつもりだったんでしょ。
そんなこと絶対許さない。これは「上位存在」としての命令、なんだからね』
『っ…………貴女を不幸にしていたのは私なんですよ!? 私が「首輪」とともに設定されて
いなければ、あるいは私に「首輪」に抗うだけの力があったのなら! 貴女の人生は今より
遥かに輝かしい光に満ちていたはずだったのに! 私が、私さえいなければ』
『……もう一回言うからね』
『え?』
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