過去ログ - とある神父と禁書目録
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148:>>1 ◆weh0ormOQI[saga sage]
2011/12/30(金) 23:34:18.62 ID:AgqHfRq60


「えへ、えへへへへ」


一分後。
カラメルのように甘ったるい至福に浸りながら、女は薬指に頬を擦り寄せて笑っていた。

インデックスが横たわっていた寝台はロンドンでも指折りの大病院の、そのまた最上階に
位置するVIP専用ルームのものだった。
意識を失っている間に済まされた検査結果に、特段異常は見られなかったという。
多少衰弱している程度で、正直な話すぐにでも退院は可能であるらしい。


「んー、んふふ…………だったらこんな、大仰にしなくてもよかったのにぃ」

「僕もそう思うんだが、最大主教様の処遇には箔というものが必要だからね」


時刻は午前五時を少し回ったあたりだった。
見舞い品らしき林檎を果物ナイフで丁寧に剥きながら、ステイルはその後の事のあらましを
かい摘んでインデックスに説明していた。

ロンドンの中心地に突如現れた巨大クレーターに関しては、『必要悪の教会』の必死の
隠蔽工作に事件発生が夜半過ぎであったことも手伝って、大きな混乱には至っていない。
当面のマスコミ対策は土御門が、消えた大聖堂の偽装は天草式が担当するという。
およそ八分間、世界から“夜”が消えていたという事実だけはさすがに秘匿のしようが
なかったようだが。

どうあれ、慰霊祭は予定通り執り行われることと相成った。
祭事は“激務からくる疲労に倒れた”最大主教に代わって、賓客であるロシア成教総大主教に
急遽委託する案がイギリス清教内で持ち上がっており――――




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