過去ログ - とある神父と禁書目録
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163:>>1 ◆weh0ormOQI[saga sage]
2011/12/31(土) 00:14:03.32 ID:VImMrTW10


「要するに、さ。昔バードウェイから説明されたことがあるんだけど、俺の『幻想殺し』は
 『異常』を『正常』に戻すことはできても、その逆はできないらしいんだ」

「カミやーん、全然要約になってないぜよ。“要するに”、カミやんの右手は『生命力』を
 打ち消せないってことさ」

「どーせ上条さんは理論立てたプレゼンが苦手ですよ……」


『生命力』とは極めて安定、均一化された『正常』なエネルギーの代名詞である。
つまり『幻想殺し』では『死』という『異常』を直接的に齎す異能は打ち消すことができても、
回復魔術などの結果として現れた『生』という『正常』は打ち消せない。
思い当たる節はステイルにも火織にも、そしてインデックスにもあった。

『上条当麻』が少女の地獄を覗き見る契機となった刀傷。
月詠小萌の協力で治療された深手。
その後の同棲生活でスキンシップの機会はいくらでもあったろうに、一度として開くことの
なかった古傷。

苦痛を伴う記憶を想起して、しかしインデックスの表情は太陽より眩しくほころぶ。


「それじゃあ、ステイルは!」

「少なくともこの忌々しい男の右手では、僕は死なずに済む、そういうことらしいね。
 そしてこの理論は、十一年前の『三沢塾』事件にも適用できるんじゃないのか?」


『戻った』命を『なかったこと』にされた、血だまりに倒れ伏す罪なき幾千の骸。
そんな光景は幻想にすぎないのだとステイルは主張する。
『黄金錬成』の解除にしろ『幻想殺し』にしろケースの特殊さが際立っているためステイルは
断言を避けたようだが、その可能性には内心でインデックスも頷いた。




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