177:>>1 ◆weh0ormOQI[saga sage]
2011/12/31(土) 00:39:21.92 ID:VImMrTW10
凍った笑顔が引き攣る。
空気を読まないお気楽な声が割り込んできた。
「俺もさっきから気になってたんだけど、なんなんだよその恥ずかしいネーミンぐおぉっ!?」
即刻強烈な打撃音にキャンセルされた。
レバーを抉る右フックの、思わず拍手を贈りたくなるほど爽快な破裂音だった。
「KYってカミ・やんの略なんじゃないかと時々本気で思うぜい」
「て、め、覚えて、ろ……ぐふ」
「ああもう、とうまうるさいんだよ! そそそそそれより、その特徴的というか日常生活で
到底活用しそうにないユニークなワード、いったいどこからひねり出したのかな……?」
引き攣った笑顔がかつての居候主に噛みつく猛獣の貌を見せてのち、さらにぐずぐずに
崩れて歪む。
アウレオルスは、インデックスに『無限の愛』などというこっぱずかしいネーミングの
ラブが備わっていることを当然のように論説の前提に組み込んでいた。
こんなワードが至極当然のように飛び交う魔境はいかに世界広しといえど神学校の講義室
ぐらいのものだ。
というか、それ以外の場所で気軽に聞きたい単語でもない。
それすなわち。
「そこの不良神父と『自動書記』が罵声をぶつけ合う現場を、物陰で窺っていたからに
決まっているだろう」
「!?」
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