233:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2012/01/04(水) 21:58:58.44 ID:2lgld0UX0
今にして思えば、ゼロからのスタート、どころの話ではなかった。
「そうかい、じゃあ…………一刻も早く、僕の目の前から消えてくれないか」
「……え?」
少女と少年のリスタートは、マイナスからの再出発だった。
「記憶力はいいのに、耳は遠くていらっしゃるのかな?」
「君の面を見てると苛立ってしょうがないと言っているんだよ、僕は」
「君とこうして同じ空気を吸う一分一秒が、僕にとっては耐えがたい苦痛だ」
「思い出してもみろ。今までは、仕事だったから仕方なく顔を合わせてただけさ」
「逆に言えば、だ。最大主教本人による詔勅レベルのオーダーでも下されない限り、
僕は君と関わり合いになどなりたくない、ってことだよ」
「理解できたかい? ならばさっさと飼い主の元に帰ることだね――――首輪付き」
その瞬間。
少女にとっての少年は、路傍の石ではなくなった。
「……たった今、理解できたことがあるんだよ」
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